●脱腸とそけいヘルニアは同じ
最近「そけいヘルニア」として知られるようになってきましたが、まだまだ「脱腸」という 呼び方の方がピンと来る人が多いのではないでしょうか。逆にこの2つが別の症状だと お思いの方もいらっしゃるかもしれません。最初にはっきりとさせておきますが、 「脱腸=そけいヘルニア」であって、全く同じです。昔は「脱腸」と呼ばれていましたが、 「椎間板ヘルニア」が日本にも増えてきたりと、 「ヘルニア」という言葉が次第に日本でも使われだし、「脱腸」についても症状は 「腸のヘルニアであり、そけい部のヘルニア」という事で「そけいヘルニア」という 呼称が使われるようになりました。
なお、本サイトでは「脱腸」という呼称を使います。
●「脱腸」とは腸がそけい部へとはみ出た症状
「脱腸」とはその名が示すとおり、「『腸』が本来あるべき場所から『脱してしまった』症状」を言います。 通常、腸は薄い筋膜によってオヘソの周囲に吊るされる感じで位置しています。ですが、その筋膜が何かしか の原因でもって破れてしまい、腸がはみ出てしまっている状態です。当然、腸の位置がずれてしまう訳ですから、 重心のバランスは崩れ、違和感を感じるに至ります。
●発症する部位
脱腸によって破れる筋膜は殆ど共通しています。それが「そけい部」と呼ばれる仙骨から太股に至る場所、 いわゆる「足の付け根」です。ここは腹部の壁である「腹壁」が大腿部(太股)と繋がる場所にあたり、 人間の構造上、どうしても他の場所に比べると脆い構造となっています。それゆえ、脱腸とは 腰痛や椎間板ヘルニアと同じく「人間が二足歩行を始めた時に共存を始めた もの」と言われています。
●余談:ヘルニアの危険性は体中にある
現代病の一つである「腰痛」が引き起こす厄介な「椎間板ヘルニア」 。これは誰もがその危険性を持っており、またそれは「首」「腰」「そけい部」と身体の色々な場所で 発症します。ヘルニアの原因となるのは「姿勢の歪み→筋肉の左右負荷アンバランス→筋肉疲労→発症」 の流れです。毎日少しでも良いので運動の習慣を取り入れ、身体に自然矯正をかけるきっかけを作ってください。
●小児期に圧倒的に多い脱腸
脱腸は腸を支えている「筋膜」が破れて発症してしまいます。そしてその破れやすい筋膜の位置は 仙骨部から大腿部の部分、いわゆる「足の付け根=そけい部」となります。これは「人間の構造上、脆くなっている」 場所です。ただでさえ脆いそけい部ですが、そのそけい部が最も脆い時期、それは「母親の胎内にいる時期」 となります。小児に脱腸が多く、また先天性と呼ばれることが多い理由は正にここです。
●母親の胎内で既に脱腸に??
つまり、母親の胎内において既に「脱腸」の原因が作られてしまうのです。 その詳細の原因はまだ明らかになっていませんが、今も研究が続けられています。
●油断はできない成人のそけいヘルニア
小児期の脱腸が多いとはいえ、成人期のそけいヘルニアも油断はできません。 若い間は良いのですが、年を重ねるにあたってそけい部の筋膜は徐々に弱まっていきます。 そして弱まった筋膜が負担に耐え切れず、脱腸が発症する場合もあるのです。 特に男性の場合、女性よりも肉体の構造上そけい部が弱くできているので、 女性に比べて発症の割合が大きいです。成人における脱腸のおおよそ9割は「男性」 と言われている程です。
